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雁皮刷り [銅版画]

私には、銅版画の師匠が3人います。

一番目の師匠は、10年以上前に、夏期集中講座(私は3回出席)をご自宅で開いてくださったAさん。
銅版画の基礎の基礎は、Aさんに教えていただきました。

二番目の師匠は、3年ほど前に、雁皮刷りを教えてくださったKさん。

三番目の師匠は、ほとんど独学で来てしまったので基礎から教えていただこうと通った文房堂アートスクールのS先生。
版が飛躍的に繊細にできるようになりました。
残念なのは、「絶対にずれない多色刷りの技法」を教えていただく機会に恵まれなかったことです。
S先生独特の繊細なソフトグランドの技法、メゾチントの技法など、惜しむ事無く教えてくださいました。
事情が許せば、再度、通いたいと思っています。

私の場合、毎回、版が出来上がるまでに、10回ほどの試し刷りをします。
線・点描を施したところで一回腐食し一回試し刷り、背景を深く腐食したところで一回試し刷り……というふうに。
雁皮刷りは手間がかかるのと雁皮紙自体が高価なので、7回目くらいから雁皮刷りをすることになります。

今回、板院展の出品作は大きかったこともあり、試し刷り自体を5回しかしていません。
インクを詰めるだけでもヘトヘト、一回の試し刷りに400〜600円くらいの材料費がかかるので、仕上がりの予想がつく場合には試し刷りはしませんでした。

そんなわけで、雁皮刷りもギリギリまでしなかったのです。
雁皮無しでは、作業しても作業しても、納得のいく状態のグラデーションが得られません。
しかし、満を持して雁皮刷りをしてみると、バチッと決まりました!
「雁皮刷り有難う〜!Kさんありがと〜!」と叫びたい気分でした♪

雁皮刷りは、私のようなグラデーションをきれいに出したい画風の人や、メゾチントのような繊細な版の人にはお勧めです。
ところで、雁皮というのは和紙ですが、外国には「雁皮刷り」に似た技法は無いのでしょうか?
もし、あるとしたら、何を使っているのでしょうか?


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