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銅版に自分でメッキしてみました [銅版画]

2008-8-15.JPG
「めっき工房」という自宅で手軽にできるメッキのセットを購入しました。
これで、金、銀、銅、ニッケルなどのメッキができるのです。
私の場合、版の錆を防ぎ、版を丈夫にするのが目的なので、勿論、ニッケルメッキです。
「めっき工房」の初期セットは10,290円ですので、手が出ない価格ではありません。

やってみたら、意外に簡単にできました♪
ムラになるのでは、刷毛目のように段差が出来るのでは……と心配していましたが、見た目は均一にメッキできているようです。
メッキの厚みも、自分の好みで調節できるようです。

今まで、メッキ屋さんでメッキしていただいたのは、多分、クロムメッキだったのでは無いかと思うのですが、それに比べてニッケルメッキは色が少し黒っぽいです。
でも、そんな事は問題じゃありません。

肝心の刷り上がりですが、メッキ前より、ほんの少しだけ色が浅くなっているところがあるかもしれません。
でも、これは、インクを詰める時の拭き具合によるものかもしれません。
つまり、メッキをかけたことよりも、インクの拭き具合によるバラツキのほうが、仕上がりに差が出来るということです。
銅版のプリント用のメッキとしては、合格点をあげて良いのでは無いかと思います。

ただ、メッキをしたことによって版が強くなっているかどうかは、これから何十枚と刷ってみないと分からないことです。
暫くは、実験が続きます。

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コメント 11

たるかす

新しい手法を取り入れるときの試行錯誤はなかなか大変ですね。時間さえあれば楽しめてしまうのかもしれないけど、お仕事となるとそうも言ってられないでしょうし。
むかし模型をやっていたころ、ニッケルを材料として使うことがありましたが、放っておくと表面が酸化しやすかったですね。銅や真鍮に比べるとましな方でしたが。また、素材の加重強度的には銅<真鍮<ニッケルだったと思います。
メッキした際の被膜の強さは、クロムメッキの方がおそらく強いかと思いますが、それも被膜の厚み次第でしょうね。厚くかければ丈夫になるけど、その分凹凸の繊細な部分にメッキがのる金属分子の厚みも増すので、極端な話、キメの細かさが変わるかも。
分子間の結合力が強く、酸化しにくい金属・・・。
極薄の電極でも安定して通電させるべく作られる電子部品の基盤回路や、高級オーディオ用ケーブルに使われる金属は、やはり金ですね(^^;)


by たるかす (2008-08-16 02:43) 

清八

貴重な報告、ありがとうございます。
こういう情報は大変ありがたいですね。
高田さんの作品のように細密な絵柄でも、本人が合格点をあげられるレベルのメッキが可能なのであれば、私も、これからの蔵書票制作に光明が見えてきました。
ひとつ気になるのですが、メッキは、失敗したと思ったとき、自分で完全に落とせるものなのでしょうか?

by 清八 (2008-08-16 10:34) 

高田美苗

>たるかすさん
こういう実験的なことって、結構、好きです♪
ニッケルは表面が酸化しやすいんですね〜。
でも、錆はしませんよね?
クロムよりニッケルが弱いとしても、100枚程度まで状態がかわらずプリントできれば良しとしようと思います。
金は錆び止めにはなるかと思いますが、銅より柔らかいので、版は強くなりませんね(笑)。

>清八さん
「細密」という事で言えば、清八さんの作品のほうが細密です。
ですから、清八さんにとって「合格点」になるかどうかは分かりません。

「めっき工房」では、残念ながらメッキを剥がすことはできません。
でも、電気的にニッケルを付けているのだから、なんらかの方法で電気的に落とすことも出来るのではないかと思うのですが……。
ニッケルメッキの剥離剤で「リップマスター」というのがあるようですが、母材を傷めてしまうようです。
硝酸でも剥がすことが出来るようですが、ご存知のように硝酸は銅版の腐蝕にも使う薬品ですから、これも母材を傷めます。

何かサンプルになる銅版をお送りいただければ、こちらでメッキしてみますけれど。

by 高田美苗 (2008-08-16 17:03) 

たるかす

いわゆる鉄の「錆」は、鉄の表面が酸化によって酸化鉄に覆われる状態を言いますが、ニッケルのが錆びた=酸化したときには、鉄のような生成物が出てきた状態とは違って、銀の輝きが鈍ったような表面の色が黒ずんだ状態になります。この上に塗装をしたり通電したりすると、具合の良くないことが起こりますが、版画のための用途なら大きな問題にはならないかも知れません。

確かに金は硬度的にも銅より柔らかいですね(^^;)強さを保つためのメッキなら、やはりクロムがいいようですが、クルマやバイクのエンジン内部での高速・高圧での擦れを軽減できるほどのメッキ強度は必要なさそうですね。

ちなみに「メッキを剥がす」というのは、上記の剥離剤を使う場合、実際には「溶かして落とす」ことになるはず。
ちょっと探してみたら、下のようなページがありました。直接質問されると、もしかしたらいい方法を教えてもらえるかも知れませんね。

http://blogs.yahoo.co.jp/atsu779/folder/25753.html?m=lc&p=2

http://www.plating.co.jp/old/mekq.htm#haga
by たるかす (2008-08-17 15:10) 

高田美苗

>たるかすさん
色々とお調べいただいて有り難うございます。
「めっき工房」では、クロムはメッキ出来ないので、ニッケルで行くしか無さそうです。

「メッキ剥がし」に関しては、「溶かして落とす」以上、母材を傷めずに剥がすことは期待できそうにないですね。
下のURLは「溶かして落とす」方式ですし、上のURLのほうも無電解メッキを扱っていらっしゃるようですし、やはり「溶かして落とす」方式のようです。
とりあえずは、私は剥がす必要は無いので、「めっき工房」で凌ごうかと思います。
by 高田美苗 (2008-08-18 00:48) 

sandora

美苗様

まあ!メッキ屋さんも開業ですか!!すごい!!

上手く、版の補強、保存が出来るといいですね。
by sandora (2008-08-18 14:22) 

高田美苗

>sandoraさん
「めっき工房」は、意外に簡単にメッキできました♪
でも、本職のメッキ屋さんのように、何十年も錆が出ないかどうか分かりませんし、メッキの厚みが均一になっていないのではないかと思います。
クロムメッキでは無いので、強度もどの程度のものか分かりません。
でも、とりあえず、緑青が噴くのは予防できるのでは……と期待しています。
早く、本職のかたに任せられると良いのですが。
by 高田美苗 (2008-08-18 23:00) 

清八

高田様

やっぱり「めっき工房」、私も購入しようと考えています。もう少し先になっちゃいますが、私のほうでも実験して、ブログで結果報告してみますので、使い方など、意見交換できるといいなと思っています。


by 清八 (2008-08-20 08:18) 

高田美苗

>清八さん
「めっき工房」の実験報告、楽しみにしております♪
私は、今度は、大物をメッキしてみようと思っております。
by 高田美苗 (2008-08-20 19:32) 

広瀬

初めまして。
私もメッキ屋さんを探している者なのですが・・。
皆さん、「めっき工房」で成功されているようですね。
私は版の強化というより色インク(得に白インクを混ぜたもの)の色の濁りをなくすために、メッキしていたのですが、ニッケルでのメッキではどうなのでしょうか?
宜しくお願いいたします。
by 広瀬 (2008-11-29 19:04) 

高田美苗

>広瀬さん
初めまして!
書き込み有り難うございます。
私は白インクは使っていないので「ニッケルめっき」で良いのか分かりませんが、今、めっきを請け負ってくださりそうな工場が、2カ所見つかっています。
まだ、実用段階ではありませんが、実用に耐えると判断しましたら、また、レポートをアップしていきたいと思います。
by 高田美苗 (2008-11-29 22:00) 

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