上海へ行く人形 [創作人形]
上海「Wonder Dolls」の出品作の顔が、ほぼ出来ました。
勿論、体もすすめています。
当初、2体の出品予定でしたが、どうしても間に合わず、
残念ですが1体での参加になります。
着彩は、油彩で行なっています。
油彩は乾くのに時間がかかりますが、
ぼやかしたり重ねたりの手間がかかる技法が、
どうも私には合っているようです。
会場は、1933 年に屠畜場として建設された個性的な建築様式の建物だそうです。
いつか行ってみたいものです。
会期は、9月30日~10月3日です。
人形は絵画以上に時間と手間と資金がかかるため、
仕事として成り立たせるのが難しいです。
ですので、手慰み程度のものと考えていましたが、
元々立体好きであったのと、その魅力に引き込まれ、
呼んでいただける展示には、なるべく出品したい気持ちがあります。
創作の気持ちはどんどん膨れ上がるのに、人生はなんて短いのでしょう。
人形お手本 [創作人形]
授業のお手本になるための人形を作っています。
学生達にとって、未知の技法である球体関節人形を作るのは、
なかなかハードルが高いようです。
実際に、授業と一緒のスピードで制作をした見本を見せるのが、
一番、感覚的にわかりやすいと思います。
とはいえ、授業に持って行っても熱心に見てくれる学生は、
ほんの一握りですが……。
清水真理先生にゲストでお越しいただいていることもそうですが、
私自身も、いかに制作のハードルを下げてあげるかということを、
日々、勉強研究しています。
ここ2年ほどは、てらおなみ先生や玉青先生のYouTubeの動画が、
かなりお手本になってくれています。
また、純粋なファインアートの世界はどうなのか分かりませんが、
私の周辺の作家が制作したもののコレクターの方達は、
ちょっと変わったものをお好みの方が多く、
「絵も好きだけれど人形などの立体も好き」という方が多いようです。
少し前までは「人形は手芸」のような位置付けだったのですが、
「アート作品」と考えてくださる方も増えているような気がします。
一昔前は、イラストレーションの作家の絵、コミック系の作家の絵が、
アートと認められなかったのと同じかもしれません。
勿論、「手芸」や「遊ぶための人形」という位置付けがあることは、
「人形」の世界を広げていくことに大切なことだと思っています。
セリアドールのウィッグ作り [創作人形]
混合技法の作家さんが「どうも影の付け方がわからない」とのことで、
簡単な人形を作って実際に光を当ててみることをオススメ。
人形の作り方をお教えすることにしたのですが、
なかなか作業スペースの確保が難しそう……。
「あ、セリアドールを改造すれば簡単じゃない!」と思い立ち、まずはウィッグ作りから開始。
「セリアドール」というのは、100均で売られているカスタム用の人形です。
てらおなみさん、玉青さんなどの人形作家さんが、
YouTubeで丁寧にカスタム方法を教えてくださっています。
土台は家にあった「伸びる包帯」を使いました。
この人形の頭に、少し改造を加えていただければ、
充分モデルさんに出来そうです。
日清アソシエイツの「グレイスライトGraceLightweight」という樹脂粘土が、
乾燥したあとでも弾力性にすぐれていて、
ほかのカラー粘土や油絵具やアクリル絵具で着色できるそうなので、
顔の盛り上げにも使えそうです。
セリアボディーの人形制作 [創作人形]
球体関節人形の球!!!てらおなみさん式 [創作人形]
システム構築は好きなので…… [創作人形]
※球体関節人形の球体の石膏型
さて、来年度も無事に、
大学で球体関節人形を教えることができることになったのですが、
年々、条件が厳しくなっています。
ここ2年、人形作家の清水真理先生にお越しいただいて、
しっかりした授業をすることが出来ていましたが、
年々、お呼びできる回数が減っています。
その上、クオリティーのアップを要求されているので、
どうにか時短できるところは無いか考えています。
球体作りの時短を目指し、球体の石膏型を作りました。
いい意味での合理化のシステム構築は好きなのです。
昔々、サンリオという会社に在籍していました。
その際、文具や画材の発注係をしたときに、
五月雨式に来る先輩方の発注を、午前と午後に締め切りを設け、
発注は発注用紙に記入して貰うことで、
自分の仕事を中断しないで済むようなシステムを作りました。
それまでは、一々自分の仕事の手を止めて、
ノートに発注を記入し、画材屋さんに電話をしていました。
いかにペーペーとはいえ、自分の仕事の手を止めて
いつでも対応するのは辛いものです。
意味のある合理化は好きですね。
球体関節人形の授業が終わりました! [創作人形]
昨日、宝塚大学新宿キャンパスの球体関節人形(正式には「造形表現演習ll」)の
前期15回の授業が終わりました。
世界的に活躍されている人形作家の清水真理先生をお招きした贅沢な授業でした。
本当ならば1年かけてやりたい授業内容で、この15回は休み時間もとれない状態でした。
清水先生の丁寧なご指導と、激励で、なんとかここまで形になりました。
昨今、どうしてもデジタルの授業に重点が置かれていますが、
手でモノを創るということは、大きな充実感が得られると考えています。
特に、粘土を捏ねて形を創るという作業は、
子供に戻って無心に作業するような喜びがあるように思えます。
COVID-19の流行による困難な状況の中、
授業をやり遂げてくださった清水真理先生、
生き生きと創る喜びを学生に示してくださった坂口茜先生、
最終日には特別参加で見守ってくださった北見隆教授、
皆様のおかげで、とても良い授業になったと思います。
改めまして深謝申し上げたいと思います。
「光輪」作り [創作人形]
個展に出品する人形の為の「光輪」を作りました。
古びた感じを出すのが好きで、上司の北見隆先生より
「古っぽい仕上げ」を随分と勉強させていただきました。
この「光輪」にも、その成果がでているでしょうか?
北見先生が、あまりに「古く見せる」ことに長けているので、
印刷物さえ古く見せることに成功(!!!)し、
個展のDMが、黄ばんだ古いものだと思われたことがあったそうです。
その境地には、まだまだ達していません。
この「光輪」も、最初に「石膏」を模したジェッソを塗り、
「箔下ボーロ」を模した赤茶色を塗り、
その上から箔(安めの真鍮箔ですが)を貼り、
汚しを入れ、クラック塗料を塗り、油絵具を塗って仕上げました。
数えてみれば6層(木を含めれば7層!)の構造になっています。
個展前のスケジュールの厳しい時に、何やってんだ……と自分でも思いますが、
ここまでやらないと、思った効果が出ません。
個展の搬入まで、およそ残り1ヶ月……。
宝塚大学の授業で球体関節人形! [創作人形]
世界的に活躍していらっしゃる人形作家・清水真理さんをお迎えし、
宝塚大学新宿キャンパスで球体関節人形の授業を行いました。
関西の美大では、おそらく2校ほど球体関節人形の授業があるのですが、
関東の美大では初めてだと思います。
サブカルチャーに強い、
宝塚大学新宿キャンパスならではの授業だと思います。
COVID-19のため、対面授業がなかなか実現できませんでしたが、
感染に対する事務方の努力もあり、
集中講座として実施することができました。
朝9:10から夜18:10……片付けも含めて、
毎回19:00近くまでというハードな授業でした。
昨日は、その最終日。
徹夜して作業を進めて来た学生もチラホラ。
講師も学生も、頑張った!!!
本当は、1体仕上げるのに60時間かかるそうですが、
1日8時間。6日間の集中講座で合計48時間の講座。
清水真理さんのパワーに押されるように、
ほとんどの学生が作り上げました。
学生、それぞれに「こだわりポイント」というものがあり、
見ていても楽しい授業でした。
1体作れば、作業手順やコツなど、かなりのことが分かります。
興味を持った学生が、何人でも続けてくれると嬉しいと思います。
私も、授業時間に1体作ろうと思って手をつけたのですが……。
授業時間内は、全くと言っていいほど自由な時間が取れず、
昼休み以外は休憩も取れず、結局、家で進めました。
なんとか、仮つなぎまで。
家で同時に、サーニット(樹脂粘土)を使った
天使の頭を作り始めたのですが、
やはりサーニットは写実表現に向いています。
作りやすいところがあります。
さぁて、来年、どうなりますことか……。
来年も、無事に球体関節人形の授業が出来ますよう。