銅版の価格

いつも銅版画材料をお願いしているH商店さんから注文してあった銅版が届く。
H商店さんは、の〜んびりしていて、「急ぎです」と言わない限りかなり届くのが遅い。
大抵は締め切りが決まっている仕事の銅版を注文するので「いつ頃になりますか？」と、「急ぎ」を匂わせながら注文するのですが、今回は少し余裕があったので何も言わなかったら注文から8日経って届きました。
急ぎだと3日くらい。

でも、H商店さんはとても気持ちの優しいお店なので、「こちらも気配りしないと」と思わせるのです。
2年前に「365×600ミリ（厚さ1ミリでバックコート付）」という、私のプレス機で刷れる最大の銅版を注文した時に、「今、投機的に銅板が値上がりしているから必要な分だけ注文したほうが良いよ」と忠告してくれました。
その時の価格が4600円。
今回は、同じ大きさの銅版が4590円。
10円ですが値下がりしています。
金属の価格の高騰は、高値で安定してしまったようです。
でも、そうやって少しでも安くしてくれようと思っている気持ちがとても嬉しい。

そういえば、営業停止してしまったメッキ工場のかたも、「学生さんなら学割で10％引き、先払いなら5％引き」と、いろいろと考えてくださっていたようです。
そういう人たちに支えられて、なんとか銅版画を続けています。

メッキ工場のかたには、今までのお礼に、最後にメッキをかけていただいた銅版画を贈りました。
それにも丁寧なお返事をいただきました。
本当に有り難いです。

コメント 2

メッキ屋さん冥利に尽きるというものです。

ただ、日本の物作りが崩壊していくようで切なくもありますね。
by hiroro_h (2008-07-16 00:22) 

＞ひろろさん
メッキ屋さんは、日本国中（最近では海外からも）の銅版画家から注文が来ていたようで、高名な作家さんの銅版画も持っていらっしゃると思いますが……でも、気は心ですから喜んでくださったと思います。
＞日本の物作りが崩壊
そうですよね。
こうやって手仕事の世界が無くなっていくのかもしれません。
by 高田美苗 (2008-07-16 02:43)